モントリオール若葉マーク(7)素晴らしい女性達
気がつけば、私の周りには素晴らしい女性達がいた。
まずクリスティン。モントリオール初めての冬、雪で凍ってどうしていいか分からない私の車を路上から救い出してくれた時、そこらの男よりよっぽど頼もしい女性だとお慕い申し上げてしまった。2年前にサンティアゴの道(フランスを出発してスペインを横断する巡礼路)をバックパックひとつで2ヶ月間歩いたという。65歳と聞いておったまげた。普通に仕事をしながら、毎晩超おいしくてバランスのとれた手料理を作り、いつの間にか最新の映画やショウは観てるし、ノンフィクションの本もたくさん読んでいる。そして週末は大抵遠出をする。クロスカントリースキーや自転車、山登り他、私の方が運動不足を感じてしまう運動神経と体力を持つ。知識が豊富で面倒見が良い。私にとって、モントリオールの賢い叔母の様な心強い存在である。
シルク・ドゥ・ソレイユ(太陽のサーカス)という有名なサーカスを初めて見に行って、すごく感激した。このOVO(卵)という新しいショーの振付師の1人である、ブラジルから来たジェニーと知り合ったのは去年の冬だった。彼女はいつも仕事で忙しく、神経が張りつめていたが、これだけの仕事をしていたなら当たり前だ。去年長女に娘が生まれて、若いお祖母ちゃんになったが、とても魅力的なプロのダンサーで、いまだに男性にモテモテだ。ショーのオープニング後に会ったら、すっかり陽気なブラジル女性に戻っていた。
私の母も素晴らしい女性である。私はこの母の背中を見て育ったから、女性の素晴らしさの基準がかなり高い。今年73歳。来年には仕事をやめるわ、と過去10年間は言い続けている。しかし私を含めたかいしょのない3人の働き盛りのはずの子供達、プラスその伴侶達と、将来は有望だと誰もが夢見る孫達にせっせと貢ぐために、これからも頑張って働き続けるだろう。
私には、クリスティンの様な優れた体力も知恵もない。ジェニーの様に多くの観衆を一度に感動させることはできないかもしれない。これからどんなに急いでも、母が今までコツコツと積み上げてきたものは決して超えられない。私自身が素晴らしい女性になれたかななどと自負できる日は、来るはずもない。私にできる事は、自分を磨き続ける事だけだ。
私は頑張っている人に惹かれる。モントリオールに来て何人もの素敵な頑張っている女性達に出会った。いつか「素晴らしい男性達」という題でコラムが書けるような男どもにも出会えるといいな。