モントリオール若葉マーク(11)石の上に一年

One-Year-On-A-Stone大きな不安だけを友に、たったひとりでモントリオールに移ってきて、一年になろうとしている。今、一年前より不安の大きさはもっと膨らんだくらいだが、だからこそ、その不安を心配している余裕もない。この冷たいモントリオールという石の上で、凍えてしまわないように心身を鍛えながら、擦り続けていくしかないのだと姿勢を正そう。

この一年間の三分の二以上は、自分自身に情けない生活だったと深く反省した。これからそのツケを返していくのも自分だ。

まず、仕事に打ち込まなかった。元々私の本職はアーティストという、収支が自分の働きのみにかかっている、あやしいものだ。モントリオールという新しい仕事場で、最初になまけてしまったのは、あまりにも愚か過ぎる。やっと切羽詰って、今では少しずつ髪を振り乱し始めたが、まだまだ乱れ具合いが足りないでいる。私の髪は、いつもどこでも乱れているのが本来なのだ。

次に、男っ気があまりなかった。別に求めていたわけではなく、周りの幸せな友人カップル達に指摘されて、そういえばそうだと気づかされてしまっただけの話ではある。その友人軍団が私に、新しい彼をつくる締切日を課した。11月末日だ。12月1日から暦では冬で、寒い冬には体を温め合うパートナーが必要だという、もっともな理由からである。石の上でも、誰か温かい人が一緒に座ってくれれば、もっと合理的に早く温まるかもしれない。でもまず自分自身がちゃんと自分らしく生きていないと、お互いに熱を与え合える、居心地の良い人達と引き合えない。男関係は今まで通り気にせずに放っておくことにして、この締切日は無期延期してもらおう。

さて、ないものばかりではないはずで、プラスなことを数えたい。フーーム。
いつも自分の弱点が心配になりすぎたら、必ず良い点もあげて自分を元気づけるのだが、いくら考えても何も浮かんでこない。最近、かなり強力なブルーオーラが幅をきかせているのだ。またトボトボと散歩に出て、信号待ちで突然閃いた。こういう時はもう考えるのをすっぱりとやめる。ただ行動すればいい。落ちていた肩がすっと軽くなって、横断歩道を渡る時には、いつものマイ歩き方に戻っていた。石の上でも歩けば棒に当たる!

ライター:An Kanata

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