モントリオール若葉マーク(12)パーティーは終わった
当日の夜、すでに前夜に参加したパーティーで疲れた私は、実は面倒くさくなりながら、約束してるから夜の繁華街に出かける。一旦出かけると、去年のハロウィーンを過ごしたゲイの街の時とは全然違う、異性愛者達の今時の仮装がたくさん見れて、出かけて来てよかったと思った。
私の男友達が、その繁華街のど真ん中のロフトでパーティーを開いている。中の盛り上がりに、シラフで来た私はすぐに溶け込む気になれず、彼も見つからないし、誘っていた私の女友達を外で少し待った。彼女が到着してから私もビールを飲み始め、彼も発見でき、おー久しぶりー、で、めでたく楽しい夜になる、と思ったのだが・・。彼の鍵付き部屋に、私と私の女友達のバックを置いてくれるという。じゃあこれお願いと、私のバックも女友達についでに彼の部屋に持って行って貰ったのが、始まりというか終わりというかだった。
彼ら2人は、私のバックと共に戻ってこなかった。バックの中からあとでまた飲み物を買う時のためにおサイフだけ取ろうとした時、私はお金を払わなくても飲めると言われて取らなかった事を、後悔してももう遅い。彼が所有する酒をくれるつもりだったのか、住人の権限で、そこの仮設有料バーの飲み物をただでくれる予定だったのかは、いまさら聞いてないので知らない。
もし私のバックさえ彼らが持っていなければ、2人がそのまま意気投合して、一緒にフランス旅行に行ってしまっても、問題はなかったのだが・・。知らない人達が皆酔っぱらっている中で楽しむには、ビール一本では長持ちしなかった。かなり長い間、私の友達というよりバックが戻って来るのを待っていたが、待ちくたびれて、もうその場を去りたくなった。でも、家の鍵も携帯もお金も全部バックの中で、どこにも行けない。
興醒めした私はつまらないし、中は熱気ムンムン過ぎるし、彼らが消え失せている3時間近くの間の半分は、繁華街のど真ん中のロフトのドアの外で立っていた。
モントリオールでは、ハロウィーンの夜は一年で一番くらい、繁華街が酔っぱらい達で忙しくなる。今年は土曜夜という事もあって、半端でないお祭り騒ぎだ。結果的には、ドアの外のメインストリートの情景をシラフで傍観してる方が、中で半分酔っぱらって踊っているより、絶対おもしろかった。
ついに友達2人と私のバックが同時に戻ってきたので、私はバックだけと一緒に、とりあえず自分の家の方向に歩き始めた。落ちているゲロたちを踏まないように、歩道に注意を払いながら歩いていたら、今度は本物の血がポタポタと続いて落ちている。目を上げると、周りにパトカーが何台か止まっていた。血を踏まないようにぎくしゃくと歩き続けながら、ポリス達の行方を見ると、血まみれの男性がゾンビの様に半分立っている。今までのハロウィーンで一番恐ろしい光景を見て、パーティーは終わった。
ライター:An Kanata