消費者がエコリフォームを実践するには

近年建設業界でも環境問題が大きくクローズアップされ,解体廃材分別による再利用やリサイクル原料を使用した建材開発など活発化している。例えば,使用済みペットボトルを原料とした住宅用排水管材料や,みかんジュースの搾りかすを原料としたバイオマスプラスチックから製造されたバルコニーデッキ材,木材くずのバイオ燃料化など,いずれも産業廃棄物を削減できる上に資源としても利用できるエコ事業だが,コスト面での課題が残る。

前回コラムでは「エコリフォーム」ということで,住宅リフォーム業界においても,環境に配慮した素材やリサイクル原料を使用した資材など,エコに積極的に取り組んでいる企業の商品を選択してリフォームしている事例が人気を呼んでいる。
消費者の間でも,「これからの時代は環境の事も考えなければならない」という意識は高まっている。どうせリフォームするなら環境への負荷の少ない工事を望む消費者が増えている。しかし,一方で消費者がエコリフォームを望んでいても,施工業者に知識や経験ががなければ満足いく提案は難しい。したがって,消費者自身も知識を高めていく必要がある。リフォーム業者へ依頼する前に,どのような資材がエコなのか?どのようなリサイクル資材があるのかなどを予め調べておく。

例えば,壁紙を例にあげると,一般的に普及品とよばれる壁紙の材質はビニール製である。原料は石油で焼却するとダイオキシンを発生したり,可塑剤などの化学物質を含んでいる。なるべくビニール壁紙を使用せず,紙質系や布製の壁紙を選択したり,昔ながらの塗壁仕上げにすることもできる。紙質系のクロスでも,牛乳パックなどの古紙をリサイクルしたエコ壁紙や,木材パルプではなくケナフという草を原料にしたケナフ壁紙などもある。しかし,耐水性に劣ったり,継ぎ目が目立ちやすいなどの欠点があり,工事費や材料代が割高になってしまうこともある。

また,木や土などの天然素材には自然の吸湿効果が高いため,割れや反り,狂いを生じることがあり,施工にも手間暇がかかる。したがって,施工性に優れ,狂いの少ない安価な人工建材が重宝されるのは当然である。一見,人工素材よりも天然素材を多く使用することがエコではあるが,デメリットを伴うことも理解しておく必要がある。

さて,消費者がエコリフォームを実践するには,具体的にどのようなことがあるのか?リフォームをお考えの方に,少し注目して工事内容を見直して頂ければと思う。一概に住宅リフォームといっても工事内容も様々なので,共通して言えるポイントを簡単に述べようと思う。

  • エアコンなど空調設備に頼らないリフォーム計画を考える。密集した都市部では難しいことだが,通風や陽当りを考慮するだけで,消費電力を抑えてエコで快適に過ごせる。
  • エアコンや給湯器などの設備機器に貼られた省エネラベルをチェック。省エネ基準達成率やエネルギー消費効率を確認して商品を選ぶ。
  • 断熱材の有効利用。壁や天井もリフォームする場合には断熱材の充填も考える。繊維系断熱材発泡系断熱材など材質も様々。低コストで効果が期待できそうな断熱材を選ぶ。室内の断熱性能を高めることで,室内環境も向上し,消費電力を抑える効果が得られる。室単位での改修を考えることがポイント。
  • 窓の断熱性能を向上させる。住宅の中で,窓ガラスからのエネルギー損失は最も大きく,開口部を改善するだけでも,冷暖房費を抑えることもできて結露も防げる。エコガラスの採用を検討する。
  • 外壁をリフォームする場合には,色に注意。白系は反射率が高いので,日射熱の影響を受けにくいが,黒系は日射熱を吸収するので,建物の温度を高める原因になる。
  • 庇や軒,ガラリや日除けシェードなど,屋外での遮熱対策は省エネ効果につながる。出来ない場合は,カーテンやブラインドで日射調整する。
  • 照明器具は白熱灯よりも蛍光灯を選ぶ。
  • リサイクル商品や積極的に環境対策へ取り組んでいる企業の商品を使用する。
  • メンテナンスや修理して長く使える商品を使用する。
  • リフォーム業者への解体廃材の分別回収を実施してもらう。

まずは,日々の暮らしでの節電や節水,ごみの分別回収など,できることから始めることがエコリフォームへの意識向上につながるはず。身近なところから実践してみよう。

ライター:中木村 真宏

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