モントリオール若葉マーク(14)モントリオール在住の危機?

大晦日の日、12月もエンゲル係数がかなり高く、次の決まった収入予定もなく、年越し会はキャンセルして、家で仕事をしながら1人で年越しする事にした。

英語で書く仕事は、昔も今も、カルガリーの元夫に校正して貰う。彼は私の文章表現を知り尽くしている、私が一番信頼を置ける校正者だ。

で、大晦日の夕方、そろそろ彼が仕事を切り上げる頃かなと、校正のお願いの電話をすると、彼はクリスマス休暇のあともそのまま年末年始休暇をとっていて、まだ友達の別荘で静養していた。

「大晦日の今日の君の予定は?」
「パーティー、キャンセルしたの。今夜も仕事するわ。こっちに来てから全然稼げてないから、もっと頑張らなきゃ。」
「モントリオールでは君は食べて行けないって言っただろ。」
「えっ、フランス語がしゃべれないから?」
「モントリオールは一般的に、仕事がない場所なんだよ。」

異国の土地で、家族も恋人もなしで1人で生計を立てて行こうとしている私にとって、自信を失うことは致命傷だ。私のことをよく知っているはずの元夫からの、この励ましとは逆の言葉に驚いた。

が、へこんでいる余裕などない。私には今、モントリオールより他に移るあてもないのだ。彼に校正してもらう原稿をEメールで送り、来年はなんとしてもちゃんと稼いでみせるわという宣言文を添えた。これは自分自身に対する宣言文でもある。ちゃんと現金収入を確保しないと、モントリオールで食いっぱぐれるどころか、どこかに引っ越す経費もない。

神経質な人は住めない、大通りに面した2階の自室で、いつものように平気でウトウトしていたら、外の騒音と人声が急により大きくなって、年が明けたとわかった。でもそのまま朝方まで寝てしまった。一人きりで年越しなんて、初体験かもしれないが、特に感激も失望もなかった。

今年はとりあえず手をひたすら動かす労働者になる。もう去年のことは振り返らない。さっそく描き初めなどして、新しい年の一歩を今日踏み出そう。

ライター:An Kanata

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